心理カウンセラーとは相談者の心を見つめる者
心理カウンセラーの仕事を本質の面から言うと、「相談者の心を最優先に見つめる仕事」と言っていいと思います。
相談者の心を最優先に見つめるということは、悩みを解決するための具体的な解決法を提示したり指摘を優先させるのではなく、なぜ心の悩みが生じたか、悩みの本当の原因はどこにあるのかを見つめ、相談者と共に探り当てるということをさします。
例えば、ある夫婦関係で悩んでいる方に対し、
「あなたの考え方は、間違っています」
「私ならこうします」
「相手の良い部分だけを見ましょう」
などのように指示することは、心の問題を解決する上では、遠回りとなる場合があります。

まず、なぜそのような夫婦関係の悩みを持つことになってしまったのかというところに目を向けることが大切です。仮に、相談者の考えや行動が、社会通念に照らして間違っていたとしてもです。間違いはいつでも指摘できます。むしろ本人がその間違いに一番気づいていることが多いのです。指摘する前に、なぜそのような間違いをすることになったのかを見つめ、相手を親身に受け止め、理解してあげることを優先させるのです。
悩んでいる方にとって、自分の理解者を得ることは何よりも大きな安心となり、その安心が解決への大きな後押しとなってくれるケースが実際には多いのです。

もちろん、単純に解決の道が開けないケースもあります。相談者によっては、医学的な働きかけが必要なこともあったり、権利などが絡んだりして、法的な解決策の提示が心の負担を軽くするのに有効に働く場合もあるでしょう。また、軽い悩みならば、お説教型のカウンセリングが奏効することもあるでしょう。
ですが、いかなる場合であっても、心理カウンセラーとは私情や固定観念を排し、相手の心に寄り添い、相手の心を見つめ、相手の立場で理解し、相談者の心に溜まったつかえを優しく取り除いてあげるという奉仕者の精神がベースにあるべきと考えます。
場合によっては、その答えにたどり着くのに膨大な時間を要したり、遠まわりをすることがあります。ですが、人の過ちをを鬼の首を取ったように指摘して、一刀両断で解決を急ぐことは、心理カウンセラーの本分ではありません。そういったカウンセリングはメディア番組に任せましょう。
法律や社会常識よりも、相手の心を優先して考える。解決法を指示するのではなく、悩みを吐露し、打ち明けてもらうことで相談者の自発的解決を促す。それがプロの心理カウンセラーなのです。
メディア番組の人生相談で見聞きする、一般常識の強制や、お説教態度は、時に相談者に安心を与えますが、一方で、見るものに不快感を与えることがあります。目指すべき心理カウンセラーの姿はあなたが決めるのですが、絶対ということがない心理カウンセラーの世界でどういう心理カウンセラーになりたいかは、あなたの心が決めるといっていいでしょう。
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